東日本大震災で亡くなられた方に謹んで哀悼の意を表します。被害に遭われた方の傷が癒え、地域が一日も早く復興することをお祈り申し上げます。
私たちは隊員と話す機会が多くあります。共通して話されること、それは
「自衛隊は目立ってはいけない。何故なら私たちが活躍する時は国民に不幸があった時が多いから」
彼らは自ら頑張ったとは言いわない理由はそこにあると思います。
そんな中、ポツリポツリと語られる災害救助の話しは壮絶でありながら、世に語られる事が少ないのも事実です。
震災直後、雪が降り身を刺すような冷たい濁流につかり、被災者を救助していたそうです。一人でも多くの被災者を乗せるため隊員はボートに乗りません。ようやく安全な避難所に被災者を運ぶと、避難所にいた男性から
「(救助された被災者は)こっちで面倒見るから、すぐに次の救助に行ってくれ」
と言われたそうです。水温0度近くの水に長時間にわたり浸かっていた隊員。いくら日頃の厳しい訓練を行っているとは言え、人の限界を超えることはできません。凍え疲れ切った体。でも、隊員たちは暖を取ることもなく、黙って次の被災者を捜索しにいったそうです。
その男性は、必死の思いで自衛隊に“すがった”のだと思います。隊員の体を気遣う余裕もなかったのでしょう。
自身の命を守ってこそ人命救助です。しかし、あの日多くの隊員が自らの命を顧みず戦っていたと思います。でも自衛隊がそれを公に語ることはできません。
創設以来、隊共会が掲げるミッションのひとつは、自衛隊と国民のタッチポイントを創る。
自衛隊が話せない事実を語る。このような話を皆さんに直接聞いて頂く場を設けることだと思っております。
東日本大震災で戦われたすべての隊員に感謝と敬意を表します。
写真出典元(陸上自衛隊HPより引用)

 

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