艦の名前は、進水するその日に決まる ── 命名式と進水式は、別の式

歴史・伝統

護衛艦や潜水艦の名前は、いつ、誰が決めているのか。海上自衛隊公式チャンネルの「艦Tube」が、命名式と進水式のしくみを3分56秒で解説しています。

【艦Tube】命名式・進水式解説してみた!/3分56秒

名前を付けるのは防衛大臣、付けるのは「進水するとき」

艦名の付与を定めているのは、防衛省訓令第317号です。そこにはこう書かれています。種別と記号の決定、建造番号の付与は製造にあたり要求性能を決めるときに、番号および名称の付与は「当該自衛艦が進水するときに」防衛大臣が行う、と。

つまり艦名は、船体ができてから海に浮かぶその日まで、正式には存在しません。海上幕僚監部が式典の案内を出すときも、艦名の欄には「命名式・進水式終了まで公表を控えさせていただきます」と書かれています。式の当日、幕が開いて初めて名前が世に出る。

名前の選び方には、種別ごとの決まりがある

同じ訓令の別表には、種別ごとの命名基準が並んでいます。

護衛艦は、天象・気象、山岳、河川、地方の名。潜水艦は、海象、水中動物の名、ずい祥動物の名。掃海艦・掃海艇は、島の名と海峡(水道・瀬戸を含む)の名。ミサイル艇と哨戒艦は、鳥、木、草の名。輸送艦は、半島(岬を含む)の名と、太陽に関する天象・気象の名。練習艦や砕氷艦、補給艦といった補助艦艇は、名所旧跡の名。

「しらせ」が名所旧跡から採られているのも、「もがみ」が河川なのも、この表に沿った結果です。艦名を聞いただけで、おおよその種別が分かるようになっている。

命名式と進水式は、主催者が違う

ここが誤解されやすいところです。海上自衛隊の公式ページにはこう書かれています。「防衛省では、まず、その艦艇に対して命名を実施し(命名式)、その後、会社側が進水式を実施します」。

命名式は防衛省の行事で、執行者は地方総監などが務めます。続く進水式は造船会社の行事。ひとつの式に見えて、実は主催者の異なる2つの式が続けて行われています。公式サイトに残る写真のキャプションを追うと、命名書の読み上げ、幕が開いて艦名が現れる瞬間、支綱の切断、そして船体が船台を離れていく順序が確認できます。


※ 上記動画は、防衛省・自衛隊の公式YouTubeチャンネルが公開する動画を、YouTube標準の埋め込みプレーヤーにより表示しているものです。動画の著作権は防衛省その他の権利者に帰属します。
出典:防衛省 海上自衛隊 公式チャンネル(https://www.youtube.com/@jmsdfmsopao)
※ アイキャッチ画像:防衛省・自衛隊ウェブサイト(https://www.mod.go.jp/msdf/operation/index.html)、PDL1.0
※ 本会は防衛省・自衛隊とは別個の民間団体であり、本記事の記述は当会によるものです。動画の内容に関するお問い合わせは防衛省・自衛隊へお願いいたします。
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